もっとも手軽なIPv6サービス「OCN IPv6」 ~担当者が語る「安さ」と「簡単さ」の秘密

もっとも手軽なIPv6サービス「OCN IPv6」 ~担当者が語る「安さ」と「簡単さ」の秘密

〔シリーズ連載〕NTTコミュニケーションズ レポート(2)

もっとも手軽なIPv6アクセスサービス

 とりあえず「IPv6を試してみたい!」というユーザーにとって一番手軽なサービスといったらNTTコミュニケーションズが提供する「OCN IPv6」だろう。インターネット接続サービスOCNのオプションサービスとして提供されているサービスだが、OCN以外の回線からも利用できるということもあって、多くの人に勧められるサービスだ。

 OCN IPv6の何よりのメリットは、その価格にある。OCNユーザーならば月額315円(税込)で、OCN以外のISPユーザーでもOCNバリュープラン(月額税込262.5円)に加入することで、IPv6インターネットが利用できる。配布されるアドレスブロックも/64となっており、ひとまずIPv6を試してみたいというユーザーから、とにかく安くIPv6を使いたいという事業者までカバーできるスペックとなっている。

 そこで、なぜOCN IPv6がこんなに安いのか、またそのほかにどんな特徴があるのかを、NTTコミュニケーションズでOCN IPv6を担当する鈴木聡介氏(OCNサービス部バリュー開発グループ担当課長)にお話を伺った。

OCN IPv6が安い理由

<IPv6Style編集部> まずOCN IPv6の特徴を教えてください。

<鈴木聡介さん> 特徴ですが1番目はIPv4環境があればOCNに限らずどこからでも利用できることと2セッションまで利用できるということから自宅をIPv6化しつつ外出先からもIPv6で接続できることです。

 2番目としてはルータの設定がいらないことです。他にも安いIPv6サービスがありますが、IPv4のグローバルアドレスが必要だったりルータへの面倒な接設定が必要だったりします.OCN IPv6ではNATの内側から簡単に接続にいくことができます。IPv4アドレスの枯渇が騒がれているので、IPv4のグローバルなリソースを必要とする仕様じゃしょうがないと思っていて、プライベートアドレスだけで終端にいけるものにしました。

 3番目は、接続プログラムを提供しているのでWindows XPであれば簡単に接続できることです。

 4番目は料金ですが、固定プレフィックスのサービスなのに、315円と安価にご提供しています。

 5番目は、携帯電話みたいなIPv6に非対応の端末からでも接続できるように、IPv6とIPv4のリバースプロキシ機能を提供していると。これは試験サービスとして提供していますけども、当面無料で続ける予定です。

 6番目は、DNSサービスを提供していまして、サブドメインレベルですが好きなドメインの設定が簡単にできるということです。

 その他、無償でパソコンをホームサーバーにするようなApaconfとかツールを提供していたり、あるいは使い方ですとかを細かくブログで紹介していたりといったような、付加価値的なサポートがあります。

<編> なぜこんなに安くできたんですか?

 トンネリングという技術を採用したおかげなんです。ユーザー数が増えてもOCN IPv6トンネルサーバーを、増えた分だけ用意していけばいいので、サービス開始にあたって必要最小限のコストでスタート出来たんです。

 バックボーンに関しても、OCNでは以前からIPv6対応がされていましたのでOCN IPv6のトンネルサーバーも既存のOCNのネットワークに置くことが出来ました。したがって、サービス開始に当たって、トンネルサーバーとお客様とをつなぐところだけ、つまり接続プログラムの部分だけに注力すればよかったんです。

 そのほかにも、コストを下げるためには色々な工夫をしています。たとえば、OCN IPv6の申し込み受付も、いろいろ用意すると高くなるので、OCNのオプションサービスとして申し込むという方法のみにしています。

 ただし、この方法ですと、まずOCNに入会していただいてから、オプションサービスとして申し込むことになって、一括でOCN IPv6に申し込むことができません。ちょっと利便性が悪いので、今年中に一括で申込めるようにする予定です。

<編> トンリング技術がポイントだということですが、どんなメリットとデメリットがあるんですか?

 そもそも、なぜトンネリングの採用を決めたかというと、いずれはネイティブなIPv6サービスが必要ですが,まずは広く多くの人に使ってもらわないといけないという思いがありました。

 多くの人に使ってもらうということを考えたときに、NTTのフレッツのユーザーを外すことはできません。フレッツでIPv6ネイティブのサービスをやろうとすると、NTT東西の設備に手を入れてもらわないといけなくて、私たちNTTコムだけではできません。

 ならばトンネルを使えば私たちだけの設備で提供できてしかも誰でも使えるなと思いました。トンネルならば、フレッツユーザーに限らずヤフーBBなど他のISPのユーザーでも使えます。ですから一つめのメリットは「誰でも使える」ということです。

 二つめとしては、サービスにモビリティがあるということです。 トンネルならIPv4のインターネットがある環境ならば、どこからでも使えます。それに付随してトンネルを使うことで、固定プレフィックスがどこであっても同じものが使えます。IPv6ネイティブなサービスだと、自宅のネットワークに振られる固定プレフィックスは、持ち出すことが出来ません。一方トンネルを使った方式ですとOCN以外の網でも使えISPや回線に限らず、いつでもどこでも同一のプレフィックスを用いたIPv6通信環境を作れるということです。

 デメリットは、トンネルはスループットがどうしてもネイティブに比べると落ちてしまいます。また、トンネルを張るIPv4の環境によって、通信品質が左右されてしまうことです。なので将来はNTT東西さんに協力いただいてネイティブなIPv6も提供したいと思います。

<編> 外出先からも利用できるのがメリットとおっしゃいましたが、たとえば自宅のサーバーと外出先のノートPCから同時にOCN IPv6を利用するといった使い方は認めているんですか?

 はい。2セッションまで同時に使えるようにしていています。OCN IPv6は固定プレフィックスと非固定プレフィックスでの利用が選べるのですが、それぞれを1セッションずつ同時に利用できます。

 ですから、自宅のデスクトップPCは固定プレフィックスで接続して、外出先のノートPCからは非固定プレフィックスで接続して、外出先から自宅のデスクトップPCのデータにアクセスするという使い方が可能です。

 基本的に個人向けと言うことで考えると、外出先から家につなげるという用途が多いだろうというところで、1契約で2セッション同時に使えるようになっています。考えうる限り、個人が使いやすいような仕様にしています。

<編> OCN IPv6のサービスを開始する上でもっとも難しかったことはなんですか?

 トンネルサーバになるものは既に製品があったんですが、ユーザー側でトンネルを終端する機能をどうするか、というところです。

 いくつかの大手ルータメーカーさんにあたったのですが、トンネルサーバはご提供いただけるもののクライアント機能も提供してくれると言うところがありませんでした。結局、そこは自前で作らざるえなかったんです。

 Windows Vistaですと、OS自体にL2TPが搭載されていてGUIで設定も出来るので、使いやすくなります。ただし、さらに設定が簡単になるツールみたいなものをIPv6ブログで提供しています。

 OCN IPv6のトンネルサーバ自体は別にOCN固有の仕様というわけではなくて、現在IETFでも標準化の作業がおこなわれており、いずれ標準になるものです。ですから、メーカーさんがOCN IPv6に対応した物を作れば,それは標準に準拠した製品ということになるでしょう。

 いずれにしても通信側では対応したので、IPv6普及の鍵はメーカーさんが握っており、IPv6を使ってヒット商品を出していただくことを期待しています。

<編> どうもありがとうございました。

これからIPv6が普及するためには

 IPv4からv6への移行期においては、今までのIPv4環境をそのまま維持しながら、手軽にIPv6を利用することの出来るOCN IPv6のようなトンネリングによるIPv6アクセスサービスの受容が増えることが見込まれる。

 さらにOCN IPv6は、1アカウントで2セッションまで同時に利用でき、DNSサービスも無料で利用できることから、個人向けの安価なVPNサービスとしての利用も可能だ。IPv6にネイティブ対応しているWindows Vistaが登場すれば、その利用価値は一層高まるだろう。

 そうやって日常的にIPv6を利用していけば、さらにいろんな利用方法やアプリケーションが登場し、より便利になっていくだろう。「IPv6はまだ自分に関係ないから」と、頭から決め付ける前に、まずは試してみてはどうだろうか。そこで新たな使い方が見えてくるかもしれない。

■〔シリーズ連載〕NTTコミュニケーションズ レポート(1)
情報家電とネットのコラボレーションを実現するUOPF
http://www.ipv6style.jp/jp/20060831/nttcom.html

■NTTコミュニケーションズ
http://www.ntt.com/
■OCN
http://www.ocn.ne.jp/
■OCN IPv6
http://www.ocn.ne.jp/ipv6/

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