IPv6 Summit 2006 レポート(1) キーノート・橋本岳衆議院議員

IPv6 Summit 2006 レポート(1) キーノート・橋本岳衆議院議員

タグ:
~国の支援には具体的なプランと効果を示すことが必要

 11月21日(火)に「IPv6 Summit 2006」が秋葉原コンベンションホールで開催され、橋本岳衆議院議員がキーノートスピーチに立った。橋本代議士は2005年まで三菱総研に勤務し、IPv6普及・高度化推進協議会の事務局を担っていたため、日本でもっともIPv6について詳しい国会議員だ。


橋本岳 氏

 橋本代議士は、「IT新改革戦略とIPv6」と題して、国会における技術分野の政策形成に議員がどのようにして関わっているのかを実体験を元に、IPv6に対して政策面からどのような期待がなされているか語った。

 国会議員には二つ職場があるという。一つが国会、もう一つが所属する党だ。そして実際に政策を決めるためには、まず所属する党の部会や調査会などで議論される。現在、進められているIT新改革戦略もそのようにして、細部が決められているという。

 だが橋本氏によれば、実際にITに対する国会議員の認識は、それほど高いものではないという。たとえばこの1年間強で、議会や調査部会などに橋本氏が出席してきて「IPv6」という単語は、自身の口から意外ではまったく聞くことがなかったという。

 2000年に当時の首相の森喜朗氏が施政方針演説で「IPv6」を取り上げたことが話題になったが、政治のIPv6に対する認識は、そのときから高まっていないという。それでは国会ではさまざまなIT関連の政策をどのように議論しているのだろうか。


 国会における議論は、当然、法律の制定や制度改正を念頭に置いたものだ。したがって、具体的に「どの技術」がということには議論の関心がいかないという。技術を使うため、すなわち具体的な施策をするにあたって、それを使うであろう組織の形態を、大づかみに論じることになるのだ。

 また、基本的に政治家には技術者出身の人間が少ないという事情もある。なおかつ選挙と選挙区を意識するため、ユーザー視点から技術を見ることになる。このこと自体は悪いことではない。

 では、どうすればよいのか。橋本氏は「具体的なアプリケーションで語るべき」という。国会議員は、具体的な要素技術には興味が向かなくとも、具体的なアプリケーションとして技術を提示すれば、強い関心を示す。

 「興味のある分野に、どういう効果があるのかをはっきりと示す」

 たとえば「電子政府」は、行政へのITの導入によってコストを減らすという、具体的な目的が明確に見える。また、医療報酬事務のオンライン化も、手続きの現象による医療費の削減につながると期待されている。


 最後に政策面からIPv6に期待されている分野として、テレワーク、デジタル放送の再送信、医療情報のオンライン化、交通の安全・安心、教育、といったキーワードを挙げた。

 たとえば、総務省が10月から実証実験を開始したテレワーク。かつてSOHOと呼ばれていたスタイルと同じものだ。しかし、IPv6を使うことでより柔軟なVPNを構築し、セキュリティ面から難しかった職種でもSOHOを可能にし、柔軟なワークスタイルを実現しようというもの。

 デジタル放送の再送信も、2011年のアナログ停波時に難視聴地域には光ファイバを通してデジタル放送のデータをIPv6のマルチキャストによってカバーできないかと考えられている。

 こういった、具体的に目の前に見えおり、かつ効果が語りやすい分野でいかにしてIPv6を活用するか示すことが大切だという。

 「基本的にインターネットは民間がやることなので、政府が直接は口を出しづらいけど、こういう活用ができるというのを示してくれれば支援できる。それを念頭にいろいろ企画を立ててほしい」。

この記事のトラックバックURL

http://www.ipv6style.com/trackback/887
Ads by Google

特集

リンク

go6.netはIPv6の普及を促進するコミュニティ・ポータルです。
http://go6.net/

IPv6ブログ