CEATEC JAPAN 2006 レポート【キーノート編】

CEATEC JAPAN 2006 レポート【キーノート編】

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~「情報家電のネットワーク化に関するシンポジュウム」

 10月3日~7日まで開催されたCEATEC JAPAN 2006では、キーノートスピーチの一つとして「情報家電のネットワーク化に関するシンポジュウム」が行なわれた。

 このシンポジウムは、総務省と経済産業省が共同で開催する「情報家電ネットワーク化に関する検討会」での議論を背景に、検討会への参加企業や学識経験者らから情報家電の普及への取り組みが語られた。

 「情報家電ネットワーク化に関する検討会」は、情報家電のネットワーク化を推進するためにはどのような課題があり、そしてそれらの解決方法を検討するために2005年5月に開始し、2005年7月に中間取りまとめを公表している。

 シンポジウムでは慶應義塾大学教授の國領二郎氏が司会を務め、総務省審議官の勝野龍平氏、経済産業省審議官の貝沼孝二氏、株式会社フジテレビジョン デジタル技術推進室役員待遇技師長の関祥行氏、KDDI株式会社 執行役員技術渉外室長の冲中秀夫氏、松下電器産業株式会社 デジタルネットワーク・ソフトウェア技術担当役員の津賀一宏氏らがパネリストとして参加した。

 まず国領氏から、情報家電ネットワーク化に関する検討会の取り組みについて説明が行なわれた。検討会では、情報家電ネットワークの普及に向けて、市場の速度やニーズにあったモデルの構築や、製品やサービス事業者間の相互接続のための調整、グローバル展開、出来るだけ既存の技術や規格を尊重しながら足りない技術を補完する、という課題解決の方法が定められている。

 そして実際の情報家電ネットワーク実現に向けて、官民が連携した推進体制を整備し、研究開発と実証実験を今後行なっていくという。ただし、普及のためにはあくまでも「ユーザーにとってのわかりやすさ、使いやすさが重要」だと国領氏は語った。

 総務省の勝野審議官からは、情報家電ネットワークを支えるインフラについて報告が行なわれた。情報家電のネットワークといったとき、それは2つのネットワークを意味し、家の外につながるブロードバンドと、家の中をつなげるホームネットワークの2点であり、その両者の整備が重要だという。

 屋外の整備については、2011年の完全デジタル元年の実現に向けて、ブロードバンドゼロ地域の実現、TVのデジタル放送への完全移行、そして放送と通信の融合、という3点を進めることによって完成するという。

 屋内のネットワークは、さまざな情報家電の相互接続検証と、実際につなぐ物理的な回線が課題だ。相互接続性は技術開発と検証の促進を行ない、物理的な回線はUWB(ウルトラワイドバンド)、PLC(電力線通信)、高速無線LANの3本を柱にするため、規制緩和を行なっている。

 経済産業省の貝沼審議官からは、情報家電のネットワーク化に必要なアプリケーションの整備についての報告がされた。

 経済産業省では、デジタルコンテンツを家庭内で流通させるためのデジタルホーム実証実験、携帯電話から情報家電をコントロールするモバイルマルチユース実証実験、TV電話やICカードソリューションを実現するためのデジタルコミュニティ実証実験という、3点を行なっているという。

 こういった実証実験は、技術的な検証という意味だけでなく、多くの企業が参加することによる広い共通基盤の立ち上げにもあるだろうと語った。

 フジテレビの関氏は、テレビ局として動画のネットワークを利用したサービスの可能性について報告が行なった。

 まずテレビ受像器というもののの位置づけについて、デジタルテレビが普及していくなかで、テレビは単なる映像メディア端末としてだけでなく、総合情報端末になるだろうと予測しているという。

 また、2007年からはホームサーバー蓄積型のサーバー型放送が始まる。この規格は、従来のTV放送の延長線上で考えられた規格で、あくまでも「放送」であるというところに力点が置かれている。

 しかし、これから放送と通信の連携がよりいっそう進んでいくことから、「放送」という考えを1回ゆるめて、サーバー型放送とIPTVの連携という点から作り直していくという。

 関市は「一番大事なのは、コンテンツの著作権保護とそれを実現していく技術をきちんと作ること」だといい、それによって「デジタルコンテンツの流通促進需要につながっていく」だろうと語った。

 KDDIの沖中氏は、通信事業者の立場から情報家電とネットワークの関係について述べた。

 カメラ付き携帯電話の普及と最近のWeb 2.0ブームを鑑みると、今後ユーザーが作ったコンテンツがいっそう増えることが予測される。そのためには、上り回線の帯域の増加が求められるだろうという。

 また、携帯電話のセキュリティや、有料コンテンツの決済システムといった需要もいっそう増えていくとことから、様々なサービスを横断して利用可能なアカウントサービスが必要となり、それの一つのベースとなるのが携帯電話であると、沖中氏は語る。

 またホームネットワークの普及における携帯電話が果たす役割についても、「DLNAが勝ち馬になってきているが、DLNAは家の中だけのもので、外のネットワークには出て行けない」。コンテンツの認証などを考えると、外から利用するためには「携帯電話を使って外から利用するための技術開発が必要だ」と述べた。

 松下電器産業の津賀氏は、家電メーカーとしての取り組みについて述べた。

 津賀氏はまず、デジタルテレビやHDDレコーダーといったデジタル家電が人気製品になっているものの、現状ではまだネット家電としては不十分だという。

 情報家電の理想としてはすべての家電製品がネットワークでつながることだが、そこへ一気に行くことは難しい。そして、製品がなければ普及はしない、売れないと製品が出ないという、ジレンマに陥っているという。

 それを打ち破るのが「デジタルテレビ」によるコンテンツサービスだという。これを実現するために、ネットワーク経由で映像コンテンツを見るための共通規格を作ると同時に、配信を行なうポータルサービス事業者を共同で設立した。

 松下では従来からテレビ向けのコンテンツサービスとして「Tナビ」を運営していたがそのブランドを捨て、デジタルテレビのメーカーで共通のプラットフォームを採用するという。このサービスは、パソコンよりも簡単で、ハイビジョンコンテンツも遅れ、著作権処理も問題ないものになる。

 これらの取り組みの先には、家庭で必要な情報をすべて一元的に扱えるように、テレビが総合情報端末になっていく、と津賀氏は言う。

 最後に国領氏はまとめとして「家電がつながることの持っている価値の大きさは共通のコンセンサス」であるのだから「総務省と経済産業省がコーディネーション機能を発揮し」、それによって「大きな産業を生み出していくことを信じてやっていきたい」と述べた。

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